マルプーのパテラ手術は必須?費用と予防法【体験談】
「キャン!」
リビングに響いた愛犬の悲鳴。さっきまで元気に走り回っていたはずが、片足を上げて震えている…。
あなたも今、そんな悪夢のような瞬間を経験し、不安で胸が張り裂けそうな思いをしているのではありませんか?
「うちの子、最近よくスキップするな…」
「もしかして、あの“パテラ”ってやつじゃ…?」
「手術になったらどうしよう。費用は?この子は耐えられる?」
その不安、痛いほど分かります。なぜなら、何を隠そう私も、愛犬のマルプーがパテラと診断され、目の前が真っ暗になった経験を持つ飼い主の一人だからです。
でも、安心してください。その不安は、正しい知識で「自信」に変えることができます。
この記事では、単なる病気の説明だけでは終わりません。
私の実体験と、獣医師から教わった知識を元に、
- なぜマルプーはパテラになりやすいのか?という根本原因
- 見逃し厳禁!危険度が一目でわかる症状グレード
- 今日から始められる、具体的な予防法4つの鉄則
- 気になる手術費用と、賢いペット保険の選び方
これらを、どこよりも分かりやすく、具体的にお伝えします。
この記事を読み終える頃には、あなたはもう一人で悩むことはありません。
大切な家族であるマルプーの未来を守るため、今すぐ、一緒に行動を始めましょう。

そもそも、なぜ?「うちの子」がパテラになりやすい理由
「他の犬は元気なのに、どうしてマルプーが?」
そう思いますよね。実はこれには、マルプーならではの、切っても切れない理由があるんです。
理由1:マルチーズとトイプードルの遺伝的宿命
あなたの愛犬が持つ、その愛くるしさ。
それは、マルチーズとトイプードルの素晴らしい特徴を受け継いでいる証拠です。
しかし、残念ながら、良いところだけを受け継ぐわけではありません。
実は、両親であるマルチーズもトイプードルも、遺伝的にパテラを発症しやすい犬種なのです。
具体的には、
- 膝のお皿(膝蓋骨)が収まる溝が、生まれつき浅い
- 華奢で足の骨が細く、関節周りの筋肉が発達しにくい
といった骨格的な特徴が、そのままマルプーに引き継がれやすいのです。
これは、マルプーと暮らす上で、私たちがまず受け入れるべき「宿命」とも言えます。
理由2:日常生活に潜む、見えない悪魔
遺伝だけが原因ではありません。
むしろ、私たちの普段の生活こそが、パテラの引き金を引いているケースが非常に多いのです。
あなたの家は、大丈夫ですか?
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- ツルツルのフローリング
愛犬は踏ん張るために、常に不自然な力で膝を酷使しています。これは、人間がスケートリンクを歩くようなもの。 - ソファやベッドからのジャンプ
着地の瞬間、体重の何倍もの衝撃が小さな膝に集中します。これは、膝への「自爆行為」と言っても過言ではありません。
- ツルツルのフローリング
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- ぽっちゃり体型(肥満)
「ちょっとくらい…」が命取りに。体重が1kg増えるだけで、膝への負担は何倍にも膨れ上がります。肥満はパテラ最大の敵です。
そう、生まれ持ったリスクに加えて、日々の暮らしが愛犬の足の健康を大きく左右しているのです。
これってパテラ?見逃し厳禁「危険度レベル」チェック
パテラは、進行度によって4つの「グレード」に分けられます。
早期発見が何よりも大切。愛犬の小さなサインを見逃さないでください。
【グレード1】まだ大丈夫…?静かなる初期症状
症状:ほとんど無症状。獣医師が触診して初めて分かるレベル。
状態:手で押すと膝のお皿は外れるが、離せば自然に戻る。
飼い主さんがすべきこと:予防を始めるべき絶好のタイミングです!
【グレード2】「スキップ」は危険のサイン!
症状:散歩中や走っている時、急に片足を上げて「ケンケン」する。
状態:脱臼と整復(自然に戻ること)を繰り返している。痛みを感じ始める子も。
飼い主さんがすべきこと:すぐに動画を撮って、獣医師に相談しましょう。
【グレード3】もう元に戻らない…常時脱臼状態
症状:腰をかがめたり、内股やがに股で歩くなど、明らかにおかしい歩き方になる。
状態:お皿が常に外れている。手で戻せても、すぐにまた外れてしまう。
飼い主さんがすべきこと:放置は危険。骨の変形につながる前に、具体的な治療計画を立てる必要があります。
【グレード4】歩くのも困難…最も深刻な状態
症状:膝をほとんど曲げられず、歩行が困難になる。強い痛みを伴う。
状態:お皿が完全に外れ、手で戻すこともできない。
飼い主さんがすべきこと:QOL(生活の質)が著しく低下するため、多くの場合、外科手術が強く推奨されます。
愛犬を痛みから守る!今日からできる予防法4つの鉄則
「うちの子はまだ大丈夫」ではありません。
症状が出る前から始める「予防」こそが、最高の愛情表現です。
鉄則1:体重管理【最高の予防薬は「適正体重」】
これ以上に重要で、効果的な予防法はありません。
とにかく、絶対に、太らせないこと。
愛犬の肋骨を優しく触ってみてください。うっすらと骨の感触が分かりますか?
もし分からなければ、それは肥満のサインかもしれません。
「おねだりされると、つい…」その気持ち、分かります。
でも、その一口が愛犬の膝を苦しめているかもしれないのです。
鉄則2:住環境の改善【滑る・飛ぶをゼロに】
家庭内のリスクをなくすだけで、膝への負担は劇的に減らせます。
- 床には滑り止めマットを
リビングだけでなく、廊下や寝室など、愛犬が歩く全ての動線に敷き詰めましょう。汚れても洗えるタイルカーペットがおすすめです。 - ソファにはペット用ステップを
「飛び降りさせない」を徹底してください。子犬の頃からの習慣づけが、将来の健康を左右します。
【編集部おすすめ】
我が家では様々なマットを試しましたが、汚れてもすぐに洗えて、ズレにくいタイル式のマットが一番でした。愛犬の足腰を守るためのおすすめマットは、こちらの記事で詳しく紹介しています。
>>本当に滑らない!犬用フロアマット>>
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鉄則3:適度な運動【筋肉は天然のサポーター】
膝周りの筋肉を鍛えれば、関節は安定します。
ただし、やりすぎは禁物!
激しいドッグランやボール遊びより、土や芝生の上を毎日ゆっくり散歩する方が、よほど効果的です。
坂道をゆっくり上り下りする「坂道トレーニング」も、後ろ足の強化に繋がりますよ。
鉄則4:サプリメントの活用【お守りとしての選択】
関節の健康をサポートするサプリも有効な選択肢です。
グルコサミンやコンドロイチンといった成分が、軟骨の維持や炎症を抑える働きを期待できます。
ただし、サプリはあくまで食事の補助。
「これを飲んでるから大丈夫」と過信せず、必ず獣医師に相談してから始めましょう。
もし「パテラ」と診断されたら?治療法と手術費用のリアル
どんなに気をつけていても、診断されてしまう日は来るかもしれません。
でも、落ち込まないで。現代の獣医療には、たくさんの選択肢があります。
選択肢1:保存療法(手術をしない道)
グレード1~2の軽度な場合に選ばれることが多い治療法です。
- 運動制限(安静第一!)
- 体重管理の徹底(ダイエット)
- 消炎鎮痛剤(痛み止め)
- レーザー治療やサプリメントの併用
これらで症状の進行を抑え、痛みをコントロールします。
ただし、根本的に治す治療ではないことを理解しておく必要があります。
選択肢2:外科手術(根本解決を目指す道)
保存療法で改善が見られない場合や、グレード3以上で生活に支障が出ている場合に検討されます。
手術と聞くと怖いですが、痛みの原因を根本から取り除き、再び元気に走り回れるようにするための、前向きな選択肢です。
【一番知りたい】手術費用と入院期間の目安
飼い主さんにとって、最大の心配事ですよね。正直にお伝えします。
パテラ手術費用の目安
片足:20万円 ~ 40万円
※上記には、術前検査、麻酔、手術、入院、術後ケアなどが含まれます。
※病院の設備や手術の難易度によって、金額は大きく変動します。
両足となると、さらに高額になります。
この「万が一」に備えるため、私は声を大にして言いたい。
マルプーを迎えたら、迷わずペット保険に入ってください!
保険に加入していれば、手術費用の50%~70%が補償されるケースがほとんどです。
「お金がないから手術を諦める」という、最悪の事態だけは絶対に避けなければなりません。
入院期間は3日~1週間ほど。その後も、リハビリを含めて数ヶ月のケアが必要です。
よくある質問(Q&A)
- Q1. まだ若い子犬でもパテラになりますか?
- A1. はい、なります。むしろ、生まれつきの要因が大きいため、若齢で発症するケースは非常に多いです。生後数ヶ月の健康診断で指摘されることも珍しくありません。
- Q2. 手術の成功率は?後遺症が心配です…
- A2. パテラの手術は、経験豊富な獣医師が行えば成功率の高い手術の一つです。しかし、どんな手術にも100%はありません。術後の感染症や、再脱臼のリスクもゼロではありません。手術前には、執刀医からリスクについて十分な説明を受けてください。
- Q3. ペット保険は、パテラと診断されてからでも入れますか?
- A3. いいえ、基本的には入れません。保険は「まだ起きていない万が一に備える」もの。病気になってからでは加入できないか、加入できてもその病気は補償対象外となります。だからこそ、健康なうちに加入することが鉄則です。
まとめ:もう一人で悩まないで。正しい知識が愛犬を救う
ここまで読んでくださり、本当にありがとうございます。
マルプーのパテラについて、その原因から予防、そして治療法まで解説しました。
最後に、これだけは覚えて帰ってください。
【パテラと向き合うための3つの心構え】
- パテラはマルプーの宿命。まずは現実を受け入れよう。
- 最高の予防は「体重管理」と「滑らない床」。これは飼い主の責任。
- 少しでも「おかしい」と思ったら、迷わず獣医師へ。早期発見が未来を変える。
パテラは、決して飼い主さんを責める病気ではありません。
しかし、その進行を食い止め、愛犬の痛みを取り除いてあげられるのは、一番近くにいるあなただけです。
この記事が、あなたの不安を少しでも和らげ、愛するマルプーのために次の一歩を踏み出す勇気となったなら、これほど嬉しいことはありません。
さあ、まずはかかりつけの獣医師に相談することから始めましょう。
あなたの行動が、愛犬のかけがえのない未来を守ります。
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