マルプーのデメリットは?後悔しない飼い方と対策を徹底解説
「ぬいぐるみみたいに可愛いマルプーを家族に迎えたい!」、そう考えている方は多いのではないでしょうか。しかしながら、その愛くるしい見た目の裏には、知っておくべきデメリットや大変なことも隠されています。軽い気持ちで飼い始めて「こんなはずじゃなかった…」と後悔しないために、この記事ではマルプーとの生活に潜む現実的な課題と、その具体的な対処法をプロの視点から徹底的に解説します。この記事を読めば、マルプーとの幸せな未来を具体的に描けるようになるはずです。
後悔しないために!マルプーを迎える前の基礎知識
まずはじめに、マルプーがどのような犬種なのか、基本的な情報をしっかりと押さえておくことが重要です。なぜなら、その特性を理解することが、後々の「こんなはずではなかった」というギャップを防ぐ第一歩となるからです。
マルプーの愛すべき性格とその裏側
マルプーは、マルチーズの「人懐っこく穏やかな性格」と、トイプードルの「賢く甘えん坊な性格」を受け継いでおり、基本的には非常に温厚で飼い主に従順です。そのため、初心者でも飼いやすいと言われています。 しかしながら、その一方で、飼い主への愛情が深いあまり、依存心が強くなりやすいという側面も持ち合わせています。 この強い絆は、分離不安を引き起こす原因ともなり、留守番中に吠え続けたり、物を壊したりといった問題行動につながる可能性があるのです。また、社交的でありながらも、時には警戒心の強さから初対面の人や物音に過敏に反応し、吠えてしまうこともあります。
サイズ感と必要な運動量
マルプーは成犬になっても体高20〜30cm、体重2〜3kg程度が一般的で、小型犬に分類されます。 したがって、都会のマンションやアパートなど、限られたスペースでも飼育しやすいのが大きな魅力です。 運動量に関しても、毎日の散歩(1回15分〜30分程度を1日2回が目安)や室内でのボール遊びで十分に満足してくれます。ただし、賢く好奇心旺盛なため、ただ歩くだけでなく、知育玩具を使った遊びを取り入れるなど、頭を使う活動をさせてあげると、より心身ともに満たされるでしょう。
マルチーズ×トイプードル!ミックス犬の特性とは
ご存知の通り、マルプーは純血種ではなく、マルチーズとトイプードルを両親に持つミックス犬です。そのため、両親のどちらの遺伝子を強く受け継ぐかによって、見た目や性格に大きな個体差が生まれるのが最大の特徴です。 例えば、子犬の頃はマルチーズにそっくりでも、成長するにつれてトイプードルのような巻き毛が強くなったり、顔つきが変わったりすることも珍しくありません。 この変化を楽しめるかどうかも、マルプーを飼う上で重要なポイントになります。
平均寿命と注意すべき健康リスク
マルプーの平均寿命は12歳〜15歳と、小型犬の中では比較的長生きな傾向にあります。適切な健康管理を行えば、さらに長く健やかな時間を共に過ごすことも夢ではありません。しかしながら、両親犬種が持つ遺伝的な病気には注意が必要です。特に、膝のお皿がずれてしまう「膝蓋骨脱臼(パテラ)」や、涙が多く出て目の周りが変色してしまう「涙やけ」、さらには皮膚アレルギーや外耳炎、白内障といった眼疾患などが好発疾患として知られています。 こうしたリスクを理解し、信頼できるブリーダーから迎えること、そして定期的な健康診断を欠かさないことが、愛犬の健康寿命を延ばす鍵となります。
知っておくべき5つのデメリットとその原因
ここからは、マルプーを飼う上で具体的に「大変だ」と感じやすいデメリットを5つご紹介します。もちろん、これらは事前に対策を講じることで十分に乗り越えられる課題です。
①【費用と手間】被毛のお手入れは想像以上に大変
マルプーは抜け毛が少ないという大きなメリットがありますが、その反面、被毛が絡まりやすく毛玉ができやすいため、毎日のブラッシングが欠かせません。 これを怠ると、皮膚炎などのトラブルにつながる可能性があります。さらに、毛が伸び続けるため、月に1回程度のトリミング(カット)が必要です。 トリミングサロンの利用には1回あたり7,000円〜10,000円程度の費用がかかるため、年間で見るとかなりの出費になることを覚悟しておく必要があります。
②【根気が必要】賢いけれど、しつけが難しい一面も
トイプードルの賢さを受け継いでいるため、マルプーは物覚えが良く、しつけやすい犬種とされています。 しかし、その賢さが裏目に出て、飼い主の甘やかしや一貫性のない態度をすぐに見抜き、わがままになってしまうことがあります。特に、甘えん坊な性格からくる「要求吠え」や、飼い主と離れる不安からくる「分離不安」には根気強いトレーニングが必要です。 初めて犬を飼う方にとっては、この点が「しつけが大変」と感じる原因になるかもしれません。
③【医療費】遺伝的な病気のリスク
先述の通り、マルプーは親犬種から遺伝的な病気を引き継ぐ可能性があります。 特に小型犬に多い膝蓋骨脱臼(パテラ)は、症状のグレードによっては手術が必要となり、高額な医療費がかかるケースもあります。 そのほか、アレルギーによる皮膚炎や外耳炎も、継続的な治療や食事管理が必要になることがあります。 万が一の事態に備え、ペット保険への加入を検討することも重要です。
④【個体差】成長による見た目の変化
ミックス犬であるマルプーは、成長過程で毛色や毛質、顔つきが大きく変化することがあります。「子犬の頃のイメージと違う…」と感じることもあるかもしれませんが、これもミックス犬ならではの魅力であり、個性として受け入れる心構えが必要です。どんな姿に成長しても、生涯愛情を注げるかどうか、迎える前によく考えることが大切です。
⑤【ご近所トラブル】無駄吠えや警戒心の強さ
愛らしい見た目とは裏腹に、警戒心が強く、来客やインターホンの音、外の物音などに敏感に反応して吠えてしまうことがあります。この「無駄吠え」は、特に集合住宅で飼育する場合にはご近所トラブルの原因となりかねません。社会化期(生後4〜13週頃)に様々な人や音、環境に慣れさせておくことが、この問題を予防する上で非常に重要になります。
デメリットを乗り越える!具体的な対処法
マルプーとの生活におけるデメリットは、飼い主の工夫と努力次第で十分に軽減できます。ここでは、具体的な対処法をご紹介します。
美しい毛並みを保つためのお手入れ術
毛玉を防ぐためには、とにかく毎日のブラッシングを習慣にしましょう。特に耳の後ろや脇の下、内股など、毛が絡まりやすい部分は念入りに行います。ブラシは、まずスリッカーブラシで全体の毛をほぐし、最後にコームで仕上げるとスムーズです。また、月に1回のトリミングは、衛生を保つだけでなく、涙やけ対策として目の周りの毛を短くカットしてもらうなど、健康管理の面でも重要です。
賢さを活かす効果的なしつけのコツ
マルプーのしつけで最も大切なのは、「一貫性」と「褒めること」です。家族内でルールを統一し、できたら大げさなくらい褒めてあげましょう。トイレトレーニングや「お座り」「待て」などの基本的なコマンドは、賢いマルプーならすぐに覚えてくれます。 無駄吠えや分離不安に対しては、子犬の頃からの社会化トレーニングが効果的です。 どうしてもうまくいかない場合は、一人で悩まずにプロのドッグトレーナーに相談するのも一つの手です。
病気を予防し、健康寿命を延ばすために
膝蓋骨脱臼の予防には、滑りにくい床材を選んだり、ソファなどへの飛び乗り・飛び降りをさせない工夫が重要です。フローリングにはカーペットやマットを敷きましょう。涙やけに対しては、こまめに目元を拭いて清潔に保つこと、アレルギーの可能性も考慮してフードを見直すことなどが対策となります。そして何より、年に1回の定期的な健康診断を欠かさず、病気の早期発見・早期治療に努めましょう。
無駄吠えを減らし、安心できる環境作り
警戒吠えを減らすためには、まず犬が安心できる自分だけの居場所(クレートやハウス)を作ってあげることが大切です。また、外の物音に過剰に反応しないよう、社会化期に様々な生活音に慣れさせておくことが有効です。来客に対して吠えてしまう場合は、事前に訪問者に協力してもらい、おやつをあげてもらうなど、「知らない人は怖くない」という経験を積ませるのも良い方法です。
それでもやっぱり魅力的!マルプーと暮らす幸せ
ここまでデメリットとその対処法について詳しく解説してきましたが、それらを上回るほどの魅力がマルプーにはあります。最後に、マルプーがくれるかけがえのない喜びについてお伝えします。
飼い主に寄り添う!深い絆を築ける性格
マルプーは何よりも飼い主と一緒にいることを喜びとします。 その甘えん坊で愛情深い性格は、日々の生活にこの上ない癒やしと幸福感を与えてくれるでしょう。 共に過ごす時間が長くなるほど、言葉がなくとも通じ合えるような、深く強い絆を育むことができます。
アレルギーでも安心?抜け毛が少ないメリット
犬アレルギーの原因の一つは、毛やフケなどのハウスダストです。マルプーは抜け毛が非常に少ない犬種のため、アレルギーを持つ方でも比較的安心して飼うことができると言われています。 また、日々の掃除の手間が格段に少ないことも、室内飼いをする上では大きなメリットです。
賢さと愛らしさの最高のハイブリッド
マルチーズの穏やかで愛らしい容姿と、トイプードルのずば抜けた賢さ。 この二つの犬種の「良いとこ取り」とも言える性質が、マルプー最大の魅力です。 しつけの覚えが早く、それでいて人懐っこい性格は、初めて犬を飼う方にとっても最高のパートナーとなってくれるでしょう。
コンパクトで飼いやすい!小型犬の魅力
マルプーの小さな体は、日本の住環境に非常にマッチしています。一人暮らしの部屋やマンションでも飼育しやすく、食事量や医療費なども大型犬に比べて抑えられる傾向にあります。何より、その小さな体で一生懸命に愛情を表現してくれる姿は、何にも代えがたい愛おしさに満ちています。
まとめ:マルプーとの生活は、お手入れの手間やしつけの難しさといったデメリットも確かに存在します。しかし、それらの課題を正しく理解し、愛情を持って向き合うことで、何倍もの喜びと幸せを得ることができます。この記事が、あなたがマルプーという素晴らしい家族を迎えるための、後悔のない一歩につながることを心から願っています。
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